2011年3月1日火曜日

【ティクバ+循環】レポート

劇団ティクバ+循環プロジェクトの神戸公演初日まであと3日となりました。
先月20日に来日した劇団ティクバのメンバーとの合同リハーサルもいよいよ大詰めです。

ここでは、ティクバのメンバーが合流してからの印象的な模様を一部簡単にレポートします。

2月21日
ティクバを迎えての稽古は、日独のそれぞれの挨拶の仕方などを試していくことから始まりました。
樹里ちゃんとカロルが長い間見つめ合い、徐々に互いの距離を縮めていくという課題では、互いに警戒心はないものの、微かにリサーチし合う様子がミニマルな動きとなり、とても繊細な表現となっていました。見ている側も、何処か懐かしい感情の部分をつつかれているような感覚に陥り、そして、それは禁欲的なダンスとも捉えられそうなほど、ファンタジーを駆り立ててくれるとても興味深い瞬間でした。

2月22日
この日は宏美ちゃんも合流し、全員でいくつかあるシーンを順番に通してみて、なんとなく流れが見えてきた感じがしました。
ドイツチームの長旅の疲れや時差ボケもあって、集中力があまり続かないため、早めに稽古を切り上げようとしていた時、最後に一人一人全員とハグをしようということになりました。
言葉を交わさずに静かにひたすらハグだけを繰り返すこの奇妙な集団を始めは滑稽に思えて、クスクスと笑って見ていましたが、時間が経つに連れて、こちらまでもハグし合っているようなとても温かい気持ちになりほっこりを通り越して、気付けばその光景に感動していました。
お互い違う身体や文化・言葉を持ってコミュニケーションの難しさを感じるであろうと思われていましたが、こんなにすっと気持ちが通じ合ってそうな感覚とは、一体なんなのでしょうか?
出演者も不思議に思っていたことと思います。

2月23日
滋賀県立草津養護学校で小学1-3年生対象に砂連尾さんによるアウトリーチがありました。
直接身体接触をせずティッシュや割り箸を通しての一対一のコミュニケーションから始まり、室内にある遊具や長椅子、マットなどを大胆に使って身体を思い切り動かした複数との対話は、最後には裸の会話にまで発展するほどの盛り上がりようでした。

戸惑いながらも、言葉を使わない砂連尾さんと何とかコミュニケーションをとろうとする子ども達はとても活力的でユーモアに溢れ、周りの大人たちを圧倒させるほどの勢いでした。

お昼からはまた神戸に戻ってリハーサルでした。

2月24日
宏美ちゃんとカロルのシーンでの二人のなんの混じり気もない純粋でダイレクトな表現に一同とろけてしまいました。
一方ニコには、身体的にも精神的にもかなり厳しい課題が与えられ、彼の精神を集中させた身体の辛さに耐えながらの表現は見ている側も辛くなるほどでした。その後しばらく、ニコのご機嫌は斜めな様子でしたが、少し長めの休憩の時に、なんとなく始まった樹里ちゃんとのマネっ子遊びが互いの母国語での会話にまで発展し、この同い年の二人の会話は通じ合ってるんだかないんだか。。。でも、とても微笑ましい光景でした。あまりにも、そんな素敵な二人だったので、カロルがその様子をパシャパシャとカメラに収めていました。もちろん、その後のニコはすっかりご機嫌の様子でした☆

2月25日
朝から滋賀県の草津へ電車で移動です。
南草津の駅横のトンカツ屋さんで「勝つ!」と気合を入れることなく、
純粋にトンカツを堪能し、お昼からは会場でリハーサルでした。
神戸よりも広い会場を贅沢に使って、なんだかお洒落な空間が出来上がっていきます。
夕方、一度立命館大学の宿泊施設にチェックインのため移動。
あまりにも素晴らく立派な施設に一同驚愕。。。
19時からは再び会場に戻り、砂連尾さんによるダンスワークショップが行なわれました。
ティクバのメンバーも参加して、ペアやグループになって体の一部分を接触させたり、相手と同じ力加減で動くなどのワークや、今回本番にも使われる立命館大学映像学科の望月ゼミによるインスタレーションを用いてカロルとのデュオ体験などが展開されました。
中でも、ティッ シュを手で掴まず体の一部分を使って全員で円になって受渡していく課題では、軽いティッシュが落ちてしまわないように神経を集中させ、時に周りのアドバイ スを頼りながら、皆が一丸となって取り組んでいました。大の大人たちがティッシュ一枚ごときに真剣になり子供以上にはしゃいでしまう光景は可笑しくもありましたが、集中して相手を思いコンタクトしようとする姿勢は時に素晴らしい動きを見せてくれました。
参加者もティクバのメンバーも、お互い初対面なのに随分前から知り合いだったかのように打ち解けやすく心地良く踊れることができたと、会場の雰囲気は終始和んでいました。

2月26日
技術スタッフ達は朝から会場で仕込み、魚が大好きで来日以来毎日お刺身を食べるゲルト以外の出演者達は昼食の某牛丼屋さんから合流です。
どんどんと舞台装置が出来ていく中、出演者達は自主練習。
樹里ちゃんとフクちゃんが真剣に合わせています。そんな二人の模様を撮ろうとカメラを向けるとやってくるのは、カロル。。。
たちまちこうなってしまいます。。。和。
27日のワーキングインプログレスの公開に向けて、滋賀用の作品ができていきます。

2月27日

滋賀ヴァージョンの通しの様子はこんな感じでした。
15時の本番前はスタッフも出演者も緊張気味。
本番は、お客さんの笑いも誘い、無事終了しました!
後5日のリハーサルで神戸の本番にはどんな風になっていくのでしょうか?
すごく楽しみです。

2月28日
お休みです!
カロル、ニコ、ニコルに与えられたたった一日の観光日。
お天気は雨、曇りでしたが、奈良に行ってきました!
奈良の大仏にかなり感動したというニコ。
鹿が大好き大興奮のカロル。
3人にとって素敵な休日となったようです!