【みんなのフェスティバル】
ーダンス公演『コンテンポラリーダンス@西日本』ー
ーダンス公演『コンテンポラリーダンス@西日本』ー
■INTERVIEW
Ⅷ
アーティストにきく『「場所」や「拠点」って?』
—菊池航(大阪)−
去る2013年11月23日、無事に『みんなのフェスティバル』は最終日を迎え、ダンス公演『コンテンポラリーダンス@西日本』も終了いたしました。このダンス公演のお題目は「ArtTheater dB神戸という劇場空間での"ソロダンス"の可能性を探る」。西日本の様々な地域で活動中のコンテンポラリーダンスの振付家/ダンサーが一同に会し、それぞれにとっての"ソロダンス"に取り組みました。
このブログでは、参加された8組の振付家/ダンサーに活動する「場所」や「拠点」ということをキーワードにお話を伺ってまいりました。公演が終了した後も、引き続きそれぞれからお聞きした声をここでお伝えしていきます。
このブログでは、参加された8組の振付家/ダンサーに活動する「場所」や「拠点」ということをキーワードにお話を伺ってまいりました。公演が終了した後も、引き続きそれぞれからお聞きした声をここでお伝えしていきます。
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「コンテンポラリーダンス@西日本」に参加された8組の中で、最後にインタビューにお答え頂いたのは、現在大阪を中心に活動するダンスグループ「淡水」を主催されている菊池航さん。本番前日、上演に向けた最終調整が進む劇場横のロビーでお話を伺いました。
--- 菊池さんのご出身はどちらですか?
菊池 出身っていうのは生まれた所ですか?生まれた所は神奈川の横須賀で、小学校の3年生までそこに居ました。小学校4年生の時に山形に引っ越しをして、小学校後半と中高を過ごしました。今は大阪に住んでいます。出身って聞かれると凄く困るんです。
--- 何度も引っ越しをされてるからですか?
菊池 物心ついてから住んでる時間が長い場所は山形だから、気持ち的には山形が出身地なのかなっていう感じもしています。
--- では、菊池さんが踊りを習い始めたのはどちらですか?
菊池 大学入ってからなんで大阪かな。でもその前に山形でストリートダンスを半年だけやってました。ヒッピホップとロックをちょこっとだけ。半年なんで本当にかじったくらいしかやってないんです。それに今の活動の感じでは、大学からかなって感じです。
--- 大学は近畿大学ですよね。
菊池 そう近畿大学。
--- 近畿大学で踊りに関わり始めたきっかけを教えて下さい。
菊池 授業にダンスがあったことが一番(関わり始めた理由しては)大きくて。山形でストリートダンスとかをやってた事もあって、既に身体を動かす事やダンスに興味がありました。近畿大学は、授業の中でそういったことが学べるということも含めて選びました。それに近畿大学は授業を自分で選択できるから。
--- 菊池さんはどういった学部になるんですか?
菊池 文芸学部芸術学科舞台芸術専攻。
--- その専攻の中にある授業は、どれでも好きに選択できるということですか?
菊池 そう。同じ学部内の授業なら他の専攻の授業でも選択できます。演劇やダンス、スタッフワークも勉強出来る。自分は元々演劇をやろうと思って入ったんですけど、ダンスにも興味があったから選択しました。そうしていると、結局ダンスの方に傾いてしまったと。
--- そうなんですね。では、今はどちらを拠点に活動をされていますか?
菊池 「拠点」って言葉として凄い難しいなって思うんですよ。今、僕はまだ近大(近畿大学)の近くに住んでるんですけど、大学の近くに学生時代から使ってる稽古場があって、そこで学生の時と変わらず作品を作ってます。そういう稽古場的な意味の拠点では大阪かなって思います。でも、最近大阪では作品を発表する機会がほとんど無くて。今年はほとんど京都です。なので、そういう発表する場所としての拠点は京都になりつつあるのかなって感じがしています。拠点に関して理想的な事を言うと、作品も作れて発表も出来るような所があるといいなぁと思っています。
--- では、今後活動してみたい場所や、街、国などはありますか?
菊池 やっぱり今、いいなって(自分の目に)映るのは京都かな。さっきも言いましたが、作品を作る所と発表する所が全部あって、それが結構密に連携を取れてる。そういうのが良いなと思います。
--- 大阪で活動をされている今の状況を、何か変えていきたいと思う事はありますか?
菊池 やっぱり拠点を持ちたいかな。今、稽古場と言ってもその都度色んな公民館みたいな所を借りているので。自由に使えるところが欲しいです。
--- では、菊池さんが活動される場所は、菊池さんにとってどういうものですか?という質問なんですが。これに一言でお答えいただけますでしょうか?
菊池 うーん。「空間」かな。そこの空気とか温度とか集る人とか、そういうので形成される「空間」。自分で作品を作る時とか何かをする時は、その「空間」っていうものをとても大事にしたいと思っています。そこに即したものであったり、そこでしか出来ない事が絶対面白いと思ってるんです。劇場って言う訳じゃないし、別に建物にも限らない。野外でやる場合もあるし、他の廃墟とか、なんかそういう空間もあるし。
--- では、もう1つ質問をさせて下さい。今稽古場があるという意味では、拠点は大阪だとおっしゃっていましたが。その大阪は菊池さんにとってどういうものですか?
菊池 単純に言えば住んでる所。大学入ってからずっと住んでる街。ずっと住んでるから帰れば落ち着くしどっか遠い所から帰ってきたらある程度は安心する。ある種ホームみたいな感じなのかな?今現在の。
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菊池航
近畿大学にてコンテンポラリーダンスを
始める。2008年、自身の主宰する団体
「淡水」を在学中に結成。振付/演出を行う。
人、音、空間、映像など場にある存在たち
の関係性を重視し、そこから織りなされる
日常と非日常の境界模様を身体性や空間
構成を使い描き出す作風を主にした作品を
作っている。
wedance2012、dots「ALTER」や、
多数のライブイベントなどに出演。
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【みんなのフェスティバル】ーパフォーマンスー
『コンテンポラリーダンス@西日本』
日程:11月23日 17時 開演
会場:ArtTheater
dB 神戸
参加アーティスト:菊池航(大阪)、木村玲奈(青森/新長田)、くはのゆきこ(福岡)、高木貴久恵(京都)、中間アヤカ(大分/新長田)、三浦宏之(岡山)、目黒大路(鳥取)、yummydance(松山)